和モダンが息づく空間、サウナとバーの融合

大江俊介が手掛ける、非日常を体験できる「和町」

都会と下町の顔を持つ町に誕生した、新感覚のサウナスペース「和町」。デザイナー大江俊介が、日本のサウナの常識を覆すデザインを提案します。

かつての日本において、サウナは温泉施設の一部としての役割が主でした。しかし、「和町」はその概念を一新。ラグジュアリーホテルを思わせる上質な空間に、未来的でエッジの効いたデザインを融合させ、訪れる人々を異次元の世界へと誘います。サウナ後の一杯を楽しむバーも併設されており、心身のリフレッシュを完結させる工夫が施されています。

「和町」の特徴は、公共のサウナ、プライベートサウナ、そしてバーの三つのゾーンに分かれている点です。全体を通して、暗闇の中に浮かび上がるようなデザインが、非日常感を演出。プライベートゾーンでは、日常の疲れを癒すため、気分をリフレッシュするため、あるいは単なる快楽のために、自分だけの世界に没入できる空間が提供されています。

この施設の実現には、木材、布、金属パネルを天井に、木材、布を壁に、木材、カーペット、PVCタイル、ビニールシートを床に使用。デザインだけでなく、機能性も兼ね備えた空間作りが求められました。特に、機械設備や空調設備を目に見えない形で配置し、機能的に運用することはデザイン上の大きな挑戦でした。

照明に関しては、間接照明を主体に使用。公共のサウナルームでは、天井や壁に施された木の板のユニークな使い方と組み合わせて、未来的な雰囲気を演出しています。隣接するシャワーエリアやリラクゼーションエリアは、黒とグレーのタイルで落ち着いたデザインに仕上がっており、リラクゼーションエリアの間接照明は特に注目に値します。意識が朦朧とする中でこの光にさらされると、まるで別次元の世界に入り込んだような体験ができます。

プロジェクトは2023年4月から2024年1月までの期間、大阪で行われました。この「和町」は、2024年のA'インテリアスペース、リテールおよびエキシビションデザインアワードでシルバーを受賞し、その卓越した専門性と革新性を世界に認められました。

写真は、ToLoLoスタジオのNANA TAJIMAによるもので、LUSTYdesign Inc.が著作権を所有しています。サウナとバーの新たな可能性を切り開いた「和町」は、日本のライフスタイルに新たな風を吹き込むことでしょう。


プロジェクトの詳細とクレジット

プロジェクトデザイナー: SHUNSUKE OHE
画像クレジット: Photograph : NANA TAJIMA by ToLoLo studio
プロジェクトチームのメンバー: SHUNSUKE OHE
プロジェクト名: Wagamachi
プロジェクトのクライアント: Shunsuke Ohe


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